2010年01月04日

進化する消費

神田昌典著「全脳思考」(ダイヤモンド社)
に興味深いことが書いてあった。

進化する消費。

高度経済成長。
三種の神器。
カラーテレビ、エアコン、車。
いわゆる「生活充足型」消費と定義づけられる。

神田氏によれば、
不況のときに何が売れたのか?
を考えるとそれが見えてくるのだと言う。

1973年オイルショックのとき、
それはカラフル家電など、今までの商品に付加価値を付けた、
「生活付加価値型」消費が進んだ。

1985年円高不況のとき、
毛皮や高級車がよく売れた。
これを神田氏は「自己顕示型」消費と呼ぶ。

同様に2000年のITバブルが崩壊しているとき、
エルメスやルイヴィトンなど、
ブランド品が売れた。
同じく「自己顕示型」消費だ。

それでは2008年末のサブプライムショック以降、
人々の消費はどうなっているのだろうか?
これはマズローの5段階欲求の階段を登っているのではないか?

生理的欲求
安全・安心欲求⇒生活充足型消費
所属欲求⇒生活付加価値型消費
自己承認欲求⇒自己顕示型消費

とすれば、
自己実現欲求に対応するものは何か?

それは、自己投影型消費=物語消費だと
神田氏は言う。

いま、売れているのは高級化粧品。
つまり、内面からキレイになることに対して、
消費をしているのだということ。

売り手が提示する物語に、
自己を投影できるかということが
消費の基準になっている。

なるほど。
この商品を100個買うと、砂漠に木が1本植えられます。
たとえば、そういうことか。

これからは、「自己投影型消費」
を視野に入れる必要がある。

と同時に、
マズローの「所属の欲求」
がどうも満たされなくなってきているように思う。

コミュニティは崩壊し、
人々は1人ずつパソコンに向かっている。

自己実現、その前に
所属の欲求をも満たす、
ビジネスが求められている。


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Posted by ニシダタクジ at 06:49│Comments(1)オススメ本
この記事へのコメント
「マズローの5段階欲求」久久に聞きました!

すごい興味深い見解で目が覚めました。

ありがとうございます。
Posted by のりこ at 2010年01月04日 10:13
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