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Posted by LOGPORT運営事務局 at

2008年06月07日

ブルームレスキュウリ

先週に引き続き農業法人を訪問。
今回も心を動かされる話がたくさん聞けた。
農業という営みを子どもたち、親たちに
どうやって伝えていくか。

「レストラン屋ではなく、農業をやりたいんだ」
と言った社長の一言。
美味しい野菜を作って、産地直送で送って、
美味しい料理を提供するレストランではなく、

目の前で野菜がどうやってつくられているか、
どんな人がつくっているのか、
どれくらいたいへんなのかを感じながら食べてもらいたい。
そんな思いだったそうだ。

平成元年から
20年の間にも食生活は激変している。
家庭であまり食べなくなった野菜がある。

キュウリ。

たしかに昔は味噌つけたり、塩振ったりして食べたが
今は居酒屋くらいのものだ。
キュウリを買って、そのままかじるなんてことはなかなかない。

その原因のひとつが
「ブルームレスキュウリ」だという。

ブルームとは白い粉のようなもの。
従来の品種のキュウリは収穫後、
白い粉のようなものがついていた。

それが農薬のように見えるということで
農家はその白いのをひたすら拭いて出荷したのだという。
結構な手間だ。

それを変える技術が登場した。

キュウリというのは病気を防ぐために
以前から「接ぎ木」という伝統の技術を使い、
「上はキュウリ、下はかぼちゃ」
というスタイルで生産をしていた。

そのかぼちゃの品種を変えると、
ブルーム(白い粉)が出ないようになったのだ。

そういえば、昔のキュウリは白っぽかったと思う。
今のキュウリは鮮やかな緑色だもんね。

白いのを拭く必要がなくなって、
きれいなキュウリが取れるということで、
農家は皆、ブルームレスキュウリに乗り換えた。

その結果。
味が落ち、香りがなくなった。
以前に比べ、日本の食卓できゅうりを見ることが少なくなった。
その比較値は他のどの野菜よりも大きな下落幅だそうだ。

キュウリにつくブルームは農薬ではない。

「この粉はもともときゅうりにあるもので、
水分の蒸散を防ぎ、水をはじいて、
果実を環境の変化から守る働きがあるといわれています」
「四季の野菜」http://alic.vegenet.jp/panfu-siki/siki.htm より引用

その理解を求めようともせず、
「見栄えが悪いから」と言って、きれいなキュウリを求めようとした結果、
キュウリは家庭の食卓に登場しなくなった。

野菜の価値というのは、何か。
どうやって野菜がつくられるのか。
農薬とは何か。
有機野菜とはどんな野菜なのか。

価値はどこにあるのか?
見た目なのか、味なのか、香りなのか。

農業だけではないと思う。
ひとりひとりが何に価値があるかを考えて、行動していくこと。

そこが一番大切なのだろうと思う。  


Posted by ニシダタクジ at 05:11Comments(0)起業家留学