2008年11月24日

食農同源

「いま、協同を拓く全国集会2008」の
基調講演「地域の力~食・農・まちづくり」
大江正章さん(コモンズ代表)
のお話を聞きました。

久しぶりにブルっとくるお話でした。
事例発表では
愛媛県今治市の地産地消の取り組み。

20年以上前からまちを挙げての
有機農業、地産地消、食育への取り組みを
行っている。

その結果。
地産地消給食を食べた子どもが大人になって
いま、意識をして地元産の野菜を買っているという。

まさに「食農同源」だ。
食育とは、ただ単に朝ごはんを食べましょう
というだけではない。

次の練馬区の取り組み
一番ヒットなのは指導付きの農業体験農園。
1区画30㎡で年間31000円で貸し出し、
週1回の農作業講座を行う。
これが爆発的にヒット。

人々が求めているのは、
農作業体験だけではない。
そこに集まる人のコミュニティだ。
農家や他の参加者とのコミュニケーションだ。

いわば。
「畑のカルチャーセンター」が
そこに出来上がる。
新しい農業スタイルだ。

「農業体験」における消費者ニーズは多様化している。
1 収穫など、イベントのみ参加したい
2 援農など、農家の手伝いをしたい
3 農園オーナーとなり、自分で育てたい(が指導も受けたい)
4 自分で畑を借りて自己流でやりたい。

今まで想定していたのは、
1と4だけだった。
しかしながら、これから伸びてくるのは2と3ではないか。

これらを全部組み合わせた畑のコミュニティを作るのは
なかなか面白いことになりそうだ。

印象に残った言葉。
葉っぱビジネスの徳島上勝町では
高齢者がめちゃめちゃ元気だという。
「産業型福祉」というのがありえると大江さんが言うが、
まさにそのとおりだ。
産業と雇用が福祉となり、教育にもなっていく。

最後に。
僕が一番震えた言葉。
「モノには、まっとうな値段がある」

消費者が食べ物にまで安さを追い求めた結果。
食の安全・安心は脅かされるようになった。
実際に経験してみれば分かる。
農業は簡単ではない。
その野菜にいくらの値段をつけるのか。

まさにそんな価値観の転換が必要となってくる。

「本当の豊かさとは何か?」
それを問いかけることが今、必要となってきている。

大江さんは言う。

金のために生活を犠牲にする生き方か
好きなことをして生きていく生き方のほかの
「もうひとつの働き方」としての農業や
コミュニティビジネスがあった。

いま。
「もうひとつの働き方」という言葉はふさわしくない。
これこそが「本来の働き方」なのだ。

自然に触れ、コミュニティの中で、
自分が自分らしくある、そんな働き方、生き方。

「豊かさ」とはなんだろう?
いま、もういちどそれを問い直すときなのではないか。



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Posted by ニシダタクジ at 05:24│Comments(0)農の未来
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