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Posted by LOGPORT運営事務局 at

2010年02月01日

一緒に働きたい人がいるから

会津若松市で
芸術系インターンシップを
仕掛けている貝沼航さんと一緒に
ETIC.のイベントで共演してきました。

いちばんビックリしたのが、
伝統工芸と農業というのは、
まったく同じような構造的な問題を
抱えていたということ。

漆器というのは、
型作りから始まり、いくつもの
工程を経て、塗りが終わり、絵付けを行って完成、となる。

ここで、どの業界でもそうだが、
職人が自分で売りに行くわけではないので、
そこで問屋さんが入る。
この問屋さんが強大な力をもっているので、
職人さんは非常に厳しい状況に置かれている。

漆器がよく売れていた時代はよかった。
しかし、だんだんと売れなくなり、
販売価格を下げるために、
問屋さんはどんどん仕入れ価格を下げていく。

最後には、途中まで中国で作って、
塗りの最後の上塗りと絵付けだけを行って、
出荷するということにまでなった。
もちろん、どの職人が作ったのかは、わからない。
「会津漆器」として流通に乗っていく。

そこに誇りはあるのか?

まさにその一言だった。
農業のジャンルもまさにそうだ。
産地形成の名の下に、愛媛みかんとか、やわ肌ネギとか、
JAの冠を付けた野菜を作っている。

作り手は誰が食べるのか分からないし、
買い手は誰が作ったのか分からない。

そこに誇りはあるのか?

貝沼さんは、コンサルティング会社にいたときの
プロジェクトで、会津本郷焼という焼き物に触れ、
職人さんたちに触れた。

もともとアートが好きだった貝沼さんは
本郷焼を通して
作り手の想い、歴史、蒲生氏郷の物語を感じ、
そして、何より職人さんたちを人として好きになった。

だから、応援したいと思った。

いま、貝沼さんが仕掛ける
「うるしカフェ」は、漆のおもしろさ、奥深さを
分かりやすく伝えるサイエンスカフェだ。

貝沼さんは、問屋さんが牛耳っていた
伝統工芸の世界に、はじめて
職人さんたちに主導権をにぎらせた
プロジェクトをいま、行っている。

貝沼さんが大切にしていること。
「何をやるか」ではなく「誰とやるか」

地域でやっているいちばんの魅力は何か?

それは一緒に仕事をしたい人がいること。

貝沼さんに原点を教えてもらった、1月最終日でした。  


Posted by ニシダタクジ at 07:55Comments(0)起業家留学