2008年12月08日

PISA型学力

「学力低下」が叫ばれている。
「ゆとり」をやめて、
もっと勉強をさせなければならない。

PISA調査というのが
2003年、2006年と行われた。
各国の学力を測るテスト。

わが日本は
2003年から2006年と時を経て、
大幅に順位を下げた。

マスコミは
「総合学習で学力が低下した」と騒いだ。

しかし。
PISA調査で測る「学力」は
従来の「情報処理能力」ではない。

ひとことで言うと「リテラシー」
日本語的に言えば、編集力のことだ。
選択式もあるが、記述式のテストが多い。

ここで、驚くのは、
日本の子どもの場合、
記述式テストで
圧倒的に無答、つまり白紙答案が目立つのだという。

これは、情報処理能力ばかり鍛えてきた結果ではないか。
間違ってもいいから、とりあえず書いてみる、
ということがなかなかできないことを示している。

藤原さんは情報編集力を高めるために、
よのなか科でジレンマ教材を取り扱うことの有効性を語る。

たとえば、
「電車の座席にシルバーシートは必要か?」
というお題に対して、ディベートを行う。

シルバーシートがなくても、
当たり前のようにお年寄りに席をゆずるほうがいいと僕は思っているが、
これは答えがひとつにはならない。
このようなお題に対して議論を通じて、
正解ではなく、ひとつの納得解を自分が得ることが大切だ。

こうして、情報編集力が鍛えられていく。

いま。
世の中は激動の時代だ。

変化の時代
正解のない時代
生き方がわからない時代

そんな時代の中で生きる力は
最小の労力で効率的に正解を導き出す速さではない。
その力が必要な時代は15年前に終わった。

時間がかかっても、自分で考え、納得して行動することだ。
間違ってもいいから、とりあえずやってみることだ。
そんな力を鍛えなければならない。

総合学習がいいとか
学力低下があぶないとか、そういう問題ではない。

「生きる力」とは、どんな力なのか、
それをどうやったらつけることができるのか。
従来型の授業とテストだけの学びでは、
それをつけることが不可能なのは明らかだ。

地域の力を結集して教育に取り組んでいくこと。
まず、巻から始めてみようか。


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Posted by ニシダタクジ at 05:56│Comments(0)新潟ヒーロー大学
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