スポンサーリンク

上記の広告は、30日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by LOGPORT運営事務局 at

2009年02月20日

「安定供給」という亡霊

チャレコミギャザリング。
全国から若者のチャレンジをプロデュースする団体が集結。
その冒頭の講演から、僕は興奮して
手に汗をかきながら、話を聞いていた。

政策投資銀行の藻谷さんの講演でした。
かなり心を揺さぶられ、また自信が確信に変わる時間でした。

本当に不況なのか?
そしてそうだとしたら、それはいつから始まったのか?
車が売れない。
本当なのか?

日産フェアレディZ。
日産が誇る技術を駆使して作られる。
1台400万前後。
昨年末に販売開始。
「誰が買うのか?」という予測に反して、
予想の3倍売れているという。

不況で自動車が売れないという。
本当なのか?
そうではない。
すでに7年連続で国内の自動車販売高は
減少していた。

そんな中で売り上げを伸ばしている
車メーカーがある。
フェラーリ。

それはなぜか?
フェラーリが突き抜けたブランドだから。
年間7500台しか作らない。
小さな工場の車だから。

フェアレディZは日産の中での
ハンドメイド部門のようなものだから。
世間は手作り感、ハンドメイド感、オーダーメイド感を
求めている。

長野の有名なおやきの会社がセブンイレブンと提携して、
長野県内のセブンイレブンにおやきが並んだことがある。
しかし現在はやっていない。

なぜやめたのか?
売れなかったからではない。
めちゃめちゃ売れた。

それでも社長はやめた。
おやきというのは季節品だから。
セブンイレブン向けの安定供給を
年間を通じて行うと、おやきの文化が壊れるから。

聞くと、1年間のうちわずか3日しか並ばない
おやきのメニューがあるという。
一期一会。
だからおやきは売れるのだと社長は言う。

スーパーの売上高は
12年連続で減っているのだそうだ。
ネット販売、オークションが始まるずっと前から
スーパーという業態は支持を減らしている。

それはなぜか?
大量生産‐大量販売というシステムが
完全に供給側の都合で作られているから。

かつて。
「流通革命」が叫ばれていた頃。
規模の経済で大量に仕入れていたものを
大量に売って成功した時代があった。

そのときに神話が生まれた。

「安定供給」

これを果たせなければ、流通に乗せることができないからだ。
こうして農業は衰退した。
単一のものを大量に作る
「産地形成」が盛んに行われた。

少しでも早く。
少しでも安く。

これに価値が生まれた。
これに国中をあげて取り組んだら何が起こったか。

主導権を小売(スーパー)に握られた。
農家はスーパーの下請けとなった。

自動車が売れない。
真っ先にしわ寄せが来るのは下請け、孫請けの部品メーカー。

「安定供給」という幻想。
いや、もはや亡霊のようだ。
儲かると確かにデカイ。
それは楽して売って儲ける唯一の方法。

しかし、儲かるのは一部のトップ層だけ。

そんな時代は昭和とともに終わった。

農家が変わっていく。
目の前のお客さんのために
本当の豊かさを届けたとき。
新たな農の時代が幕を開ける。  


Posted by ニシダタクジ at 12:40Comments(0)農の未来